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時代、地域による特徴

さて、造の「冠落造」の説明に、「大和伝(やまとでん)」という言葉が出てきたが、このあたりで、日本刀の「分類」について軽く触れておこう。 日本刀は、作られた時期や作られた地域、さらには作った人によって独自の特徴をもっている。作られた時期については、まずは関ケ原の戦い (1600年)の ころ を境にして分類される。

関ケ原の戦い以前のものを「古刀(ことう)」、それ以降のものを「新々刀(しんしんとう)」、今の時代のものを「現代刀(げんだいとう)」という。 古刀以前のものは「上古刀(じょうことう)」と呼ばれ、日本刀の範疇には入らないとする説が多い。これらはほとんどが古墳などからの出土品であり、中でも聖徳太子(しょうとくたいし)が所持したとされ国宝に指定されている「丙子楓林剣(へいししょうりんけん)」は有名。七世紀作という古いものでありながら、今もなお美しい輝きを見せる、日本の大切な宝である。

時代別には、おおむね以上のように分類されるが、研究者や鑑定士によって、「古刀は1596年までである」とか、「慶長(けいちょう…1596から1615年)以前のものを古刀と呼ぶ」などの、微妙な違いがある。 さらに、古刀については地域による分類もなされている。「山城(やましろ…京都)」「大和(やまと…奈良)」「備前(びぜん…岡山)」「相模(さがみ…神奈川)」「美濃(みのう…岐阜)」の五つの地域に大別され、それぞれ「山城伝(やましろでん)」、前項の冠落造の説明で出てきた「大和伝(やまとでん)」、そして、「備前伝(びぜんでん)」「相州伝(そうしゅうでん)」「美濃伝(みのうでん)」と呼んでいる。これらを総称して「五箇伝(ごかでん)」という。